【八十神の舞】神々の舞う地、神代市を舞台につむがれる物語。

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蛇骨地蔵

今から一二八〇年ほど昔。
浅香、白川の二郡の領主、浅香左衛門尉忠繁は、日和田の館山に館を構え美しいあやめ姫という娘がいました。
家臣の浅香玄藩時郷は、このあやめ姫に思いをよせていましたが、あやめ姫を妻に出来ないことを恨んで領主を殺し、館を奪い、己に従わぬ姫をも刺し殺し、安積沼に投げ込んでしまいました。
沼に沈んだ姫は「父母の恨み晴らさでおくべきか」と恐ろしい大蛇に化身し、玄藩を沼に引き込んで殺し、その一族をことごとく滅ぼしました。
そればかりか村人にもたたりを及ぼし、作物は実らず八郷八村は荒地となりました。 村人は困り果て、沼に祈ったところ、沼の中から、 「今より毎年三月二四日に娘を人身御供にすれば祟りなし」 とのお告げがあり、村人はくじ引きで、毎年娘を差し出しました。
時は流れ、三三人目に当たったのが片平の権勘太夫の娘でした。
太夫は娘可愛さのあまり、大和の長谷の観音様にお参りをしましたが、そこで出会った松浦佐世姫に人身御供の身代わりを頼みました。
佐世姫は「小さな頃亡くなった父母の供養をしたい。
その費用を出してくれるなら身代わりになる」と言う。
勘太夫は夢かとばかり喜んで供養をすませると、みちのく日和田に佐世姫伴っていった。
供養の祭壇に立った佐世姫は、大蛇に向かい一心に法華経を唱えたところ、大蛇はみるみる天女の姿へと変わり、 「法華経の功徳で成仏でき蛇身の苦しみが消えました。私はこれから越後の国の蛇王権現、近江の国の竹生島の弁財天になります。我が死骨をもって地蔵尊を刻んでください」 と言って、蛇の骨を残して姿を消してしまいました。
佐世姫は一〇〇日間身を清め、五寸七分の蛇骨地蔵尊を刻み、あわせて、これから大蛇の害がなくなるようにと、浅香を安積と改めました。 そして満願の日、神女が現れ佐世姫を雲に乗せて大和の国へ連れ去ったということです。

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