第242回 囲碁の効用と作業療法

囲碁の効用と作業療法

■今日のフィードバック

アナタは囲碁をしたことがありますか?

おそらく、返事は大きく分かれることでしょう。

というのも、アナタがはじめにつまづくのは、ルールですよね。

それがわからないし、説明されてもピンとこない。

陣取りゲームという印象はあっても、じゃあ具体的にどうするの?

って感じなんでしょうね。

一時期、囲碁ブームがあり、その世代が今の20代前半の人達なのかな?

最近、ビジネス誌を読んでいて、『囲碁にハマる若手ビジネスパーソン』という記事をみつけました。

それを読んでいて、八つの効用が書かれてまして……。

僕自身ナルホドと思ったのと同時に、作業療法にも通じるところが随所にあるということを前々から思っていたことが、より鮮明になった気がしたものです。

なので、今回は、囲碁の効用と作業療法についてをすこうし、考えてみようかと思います。

では、いつも恒例になってますが、質問でシメますか。

アナタは、囲碁と作業療法の共通項は何処にあると思いますか?

■重要なキーワード

さて、では、今回の元ネタの出処を明らかにしておきましょう。

日経Associe 2010.07.20号 P012-013です。

興味のある方は是非、購入して読んでみて下さい。

それはさておき、一部抜粋させていただいて、そこを中心にお話しましょう。

囲碁の効用

一、『基本を理解し、練磨して工夫することの重要さを学ぶ』
二、『状況を判断して、自分の責任で決断し
実行した事の結果に責任を持つ習慣が身につく』
三、『見えているのにみえていないことがあると自覚できる』
四、『欲張ると破綻することを実感できる』
五、『正しい大局観と、正しい局所判断を両立できるようになる』
六、『先を読む力が養える』
七、『考える習慣が見につく』
八、『負ける経験を積める』

さて、ではこれがどう作業療法に通じているのでしょうか?

まぁ、今まで僕がこの場で話してきたことばかりでもあるんですけどね。

ですが、一つ一つこの八つから僕が読み取ったことを、最近の体験を交えてお話していきましょう。

一、『基本を理解し、練磨して工夫することの重要さを学ぶ』
これはどの業界でも同じ事がいえますよね。
先輩作業療法士や、テキスト等で書かれている基本的な事を積み重ねる。
まず、基本を学んで、そこからはじめて独自の考え方、やり方を生み出
すことができる、ということです。
個別性やら独自性を主張したがるのが作業療法士の傾向のようです。
まずはしっかり基本をおさえ、謙虚に学ぶ事が大切かと思います。

二、『状況を判断して、自分の責任で決断し
実行した事の結果に責任を持つ習慣が身につく』
囲碁って、石を一度置いて手を離したら動かす事が出来ないんですよね。
それと同じようにセラピストの動き、表情、言葉、それら全てを行動化
してしまったらもう消す事は出来ないんですよね。
精神科ならなおさら、一言の重みを、仕草一つの重みを感じてください。

三、『見えているのにみえていないことがあると自覚できる』
実際に対局をしていると、思いがけないところに落とし穴があることに
直面することがしばしばです。
先日も患者さんと対局して、僕の穴だらけ過ぎる手に愕然としたものです。
これって、理解したつもりでもそうではなかったり、イメージしている
事と現実とのギャップに悩まされるということに通じるのだろうな、
と思いました。
場や集団を見てのことでいえば、必ず死角はできますし、一人のヒトを
相手にするわけですから、立体的に関わるべきですからね。

四、『欲張ると破綻することを実感できる』
石を無理矢理取ろうとすれば、歪ができる。
何でもなんでもやろうとしても上手くはいかない。
欲張っているわけではないのでしょうが、専門職という肩書きが全てを
自身で行うべきと考えてしまうこともあります。
また逆に、相手に同じ事をすることを求めても無理があるのかもしれません。

五、『正しい大局観と、正しい局所判断を両立できるようになる』
全体をみながらも、細かいところにも配慮しなければならない。
全くその通りなんですよね。
拙いところは小さいうちに、でも大勢への影響も考える。
優先順位のつけ方や何を選択するのかというバランス感が必要になって
くる、ということでしょうね。

六、『先を読む力が養える』
自分自身の行動の結果、どんなことにつながるのか、ということを常に
気にする事が出来るようになる、ということでしょうね。
一手打ったことで、何がどう変化するのか、とかね。
あとイメージ力を養うことにもなるでしょう。

七、『考える習慣が見につく』
六の先を読む力にも関連してきますが、どうしても考え続けるという事
をせず、途中で諦めてしまうことがあります。でも、それだと中途半端
になって、十分根拠があるのか、その根拠が強いのか、という疑問が残
ってしまうことになります。
ついでにいえば、一つの情報だけを根拠にするのではなく、より多くの
情報をもとに統合していく為にも考えることは大切ですよ。

八、『負ける経験を積める』
これも専門職の悪いところに通じますよね。
特に勝てない戦いはしない、的な。でもポイントはそこではなく、負け
たときの心の整理の仕方や、次に活かすために今何を考えるのか、とい
う感情や思考のしなやかさを養うことになるのではないかと。
つまり、セラピストとしては常に改善につなげるために失敗を糧により
良い治療の提供につなげられるようにする、ということですね。
ちなみに、今回は失敗や負けという表現になってしまっているので、治
療を間違っちゃいけないだろう、というのはごもっとも。ですが、そこ
は治療に踏み出す前にどれだけ考えているのか、そしてその考えに根拠
があり、他のものより根拠が強いのか、ということを僕は考えている、
ということです。

■ノウハウをちょっと

いろいろと書いてみました。

僕自身、囲碁の勉強中でもあるので、続けることで更なるレベルアップにつながるといいな~とかいう欲もありつつです。

うん、僕は欲張りなんですね。

囲碁を患者さんとやるごとに、いろいろな事を考えさせられます。

自分のことも、患者さんのことも、まわりのことも。

そして、やっぱり思うんですよね、作業療法士だからって、作業療法だけを勉強していればいいわけではないなぁ~と。

総合力とか、バランス感覚とか既存の言葉に、安易に置き換えることもできますが、どうもそれだけでは足りないと感じるものでした。

あ、ちなみに……

『根拠』って、囲碁の用語でもあることを知っていましたか?

根拠は深いのではなく、強い人が勝つんですねぇ。

これはもう定石ですね。

「作業療法塾塾長」齋藤 信


療法士.com スキルアップ!!キャンペーン実施中


にほんブログ村 資格ブログへ
ランキングに参加中です!

さぁ、現在ランキングは何位?
一位になったら豪華賞品を差し上げちゃいます!応援ヨロシク!

シェアして記事の復習をしよう!

OT塾メルマガで臨床をCHANGE!

臨床実習のネタ帳

脳と学習メカニズムで臨床教育をCHANGE!
 臨床教育には正解はない。脳の生理学と学習メカニズム、マネジメントの概念を取り入れた臨床実習のアドバイズ法を全て公開中!  臨床教育にこそ作業療法を取り入れ、人と生活に根ざした療法士を育てる第一歩をともに踏み出しましょう!

氏名
姓: 名:
メールアドレス

臨床指導の悩みを一言教えてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ABOUTこの記事をかいた人

主宰 齋藤信

作業療法塾塾長、サイトーゼミ主催、IAIRグランドマネジャー! 精神科作業療法士として13年臨床経験を重ねたのち、起業。IAIR×作業療法塾として、若手療法士たちの育成に人生の全てを懸けている。 また、サイトーゼミとして、臨床指導者や管理職向けの講義、コーチングも行っている。