FROM:作業療法塾 主催 齋藤 信
みなさん、トレーニングしてますか?
もちろん、精神科OTですから……
それにまつわるトレーニングです。
タイトルにあるように、「◯◯」トレーニング……
さて、あなたは一体どんなキーワードを◯◯に入れますか?
精神科OTで、それにまつわるトレーニングとしたら……「メンタル」トレーニング?
ノン、ノン!
ちょっと惜しい!
メンタル=こころとするなら、確かにね。
そして、ココロエクササイズにも通じてきます。
が、こころの定義やらで、すこうし難しい話になってしまいます。
- 「メンタル」=精神、心のありようにまつわること。
- 「マインド」=心、精神。
- 「イメージ」=心に思い浮かべる姿
ね、簡単に分けただけでもちょっと大変。
今日みなさんにお伝えしたいのは、最後の「イメージ」です。
イメージ・トレーニング。
なんだ、そんなことか、と思ったかもしれませんね。
うん、甘い!
人の脳は、イメージしたことを現実か、空想かを判別することはできません。
脳は、簡単に記憶を改竄してしまいます。
繰り返し思い出すこと、空想することを現実と勘違いしてしまいます。
そして、それが自分を不幸にする情報であれば、その方向に。
自分を幸福にする情報なら、その方向に導きます。
シャドーボクシング、って知ってますか?
ボクサーの練習法の一つで、イメージによって作り出した敵を相手にボクシングをする練習法です。
これって、先に言ったように、現実であるかのように錯覚するほど、脳内で映像化して行うそうです。
そして、このイメージ力が鮮明で、かつ繰り返されることによって、勝利を手にいれた……という話はあなたもよく聞くのではないでしょうか。
まだ眉唾だと思いますか?
僕はボクサーほど現実主義者の方はいないと思いますが。
アメリカの実験例でいえば、ダーツの練習に取り入れたところ、取り入れなかった群よりも明らかな有意差が見られるほど、命中率が上がったというものもあります。
イメージ……イマジネーションの力を効果的に活用した方が、作業療法にもっと良い効果が得られると考えた方が自然ではありませんか?
事実、セルフイメージであるとか、ボディイメージという言葉はあなただって普通に使いますよね。
ただ、問題は作業療法でどう活用するか、です。
いわゆる健常人であっても、ネガティブな情報を反芻すれば、不幸なイメージを強化してしまい、不幸な現実を創り出してしまいます。
そこにあって、統合失調症など精神科疾病といわれるもののほとんどは、脳内ホルモンの異常により情報伝達の不具合が顕著に出ているものばかり。
即効性はないので、アクティビティの間接的効果に逃げたくなるかもしれません。
精神力や意識するといった曖昧なものではなく、良いイメージを提示する事がいいでしょう。
まずはは手本を見せ、すぐにさせるのではなく、頭の中で3回手順を繰り返させる。
そのうえで、実践。
……って流れがいいのですが、それは脳内ホルモンが安定している方向け。
患者さんにすぐ使おうとするなら、手順の手本の後に、写真で手順の確認をするのがベターでしょう。
それに慣れてきたら、写真無しで手順を再現してもらい、実践。
そんな流れを作ってみましょう。
脳内ホルモンが安定するには3~6ヶ月かかります。
シナプスにある脳内伝達物質の再取り込み経路を減らすには時間がかかりますね。
ですが、脳内ホルモンを安定化させるアプローチと並行しながらイメージトレーニングをすることで、結果として患者さんにとって良い成果につながる作業療法の組み立てになるでしょう。
イメージトレーニング……いや、あえて言うなら「シャドー作業療法」を試してみてくださいね。
作業療法塾 主催 齋藤 信
追伸
さてさて、とうとう「脳科学×作業療法」講座が3日間に渡って開講です。
受講予定のみなさん、お楽しみに!
>>> https://otjyuku.net/post_lp/kokoroex
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